お煎餅や海苔などの乾燥食品に必ず入っている乾燥剤ですが処分に困ったことはないですか?
乾燥剤の袋には水気の場所に捨てると発熱して危険って書いてあるし、生ごみには水気があるので一緒には捨てられないし・・・。
イマイチよくわからない取り扱い方法ですが、そもそも乾燥剤には種類があって
- 復活できて再生できる乾燥剤
- 再生できない乾燥剤
大きな分類で2種類あるのは知っていますか?
今回は種類による
- 再生方法(復活のさせ方)
- 復活はできないけど再利用の方法
以上を簡単にご案内いたします。
乾燥剤の種類と特徴は?
乾燥剤の再生方法や再利用方法を知る前にまず、その特性を知っていた方が安全に上手に対処できるはずですので、まずは種類についてご紹介いたします。
乾燥剤には大きく分けて次の2種類あります。
- 石灰系乾燥剤
- シリカゲル
それぞれに特徴があり使用用途によって使い分けされているんですよ。
それぞれについて詳しくご説明いたします。
石灰系乾燥剤
石灰系乾燥剤は「生石灰」を原料とした乾燥剤で水分を吸うと約2.5倍もの体積に膨張します。
この状態になると乾燥剤としての機能はなくなり「消石灰」に変化します。
石灰系乾燥剤は吸湿効果がある最初のうちは振ると「カシャ、カシャッ」と音がしますが、粒(つぶ)がなくなり粉(こな)になると乾燥剤としての機能がなくなります。
粉になった消石灰は乾燥剤としては再生できません。
化学変化を起こして吸湿するので化学的乾燥剤と言われます。
安価で吸湿力が強いので食品やお菓子に使われます。
また、生石灰の状態の乾燥剤に急に水分を付けると反応し発熱するので取り扱いに注意が必要です。
- 原料・・・酸化カルシウム
- 吸湿方法・・・水分を吸収して科学的に変化する性質を利用する
- 湿気を吸い取れる量・・・自重の30%程度
- 価格・・・安価
- 用途・・海苔、お煎餅、その他お菓子
シリカゲル
シリカゲルは水分を“物理的”に吸着するので「物理的乾燥剤」と呼ばれます。
多孔質で大きな表面積を持ち水分はもちろん臭いの成分も吸着することもあるので消臭効果もあるそうです。
乾燥剤としての機能があるかどうかを判断するために、混合された青ゲルの色調変化(青色から淡いピンクへ)で目で見て判断できます。
シリカゲルは物理的に水分を吸った状態になっているので、熱を加えて水分を飛ばすことによって乾燥剤として再生できます。
また、シリカゲルにはA型とB型があります。
A型は低湿度な空間の吸湿性に向き、主に菓子やカメラなどに使われます。
B型は高湿度な空間の吸湿性に優れ、家庭用の除湿製品などに使われています。
- 原料・・・二酸化珪素
- 吸湿方法・・・表面に無数の穴があり、水分を吸着する。
- 湿気を吸い取れる量・・・自重の50%程度
- 価格・・・高価
- 用途・・・ビスケットやクッキーなど、医薬品、カメラなど
脱酸素剤(※乾燥剤ではないので乾燥効果はありません)
よく誤解されているものに脱酸素剤があります。
脱酸素剤は文字通り「酸素を取り除いて食品の酸化を防ぐもの」ですので乾燥剤のような吸湿性はありません。
鉄の酸化を利用して酸素を吸収するタイプのものが主流です。
同じ原理のものに「使い捨てカイロ」があります。
使い捨てカイロもホカホカ暖かい間は酸素と反応していますが、冷たくなったらその役目は終わってしまい再生できません。
ですので、ケーキ菓子や和菓子のパッケージに入っている脱酸素剤は食品のパッケージ内の酸素を吸って食品の酸化を防ぐためのものです。
湿気を防ぐものではないのでお間違いのないように。
脱酸素剤については脱酸素剤とは?再利用や復活はできる?捨て方は?で詳しく説明していますのでご覧ください。
乾燥剤の復活のさせ方と再利用方法は?
土壌改善に!石灰乾燥剤の再利用方法
乾燥剤は「生石灰」から「消石灰」に物質変化してしまいますので乾燥剤として復活再生できません。
しかし、消石灰はガーデニングの土壌改善に利用できます。
消石灰は強いアルカリ性のため、土に混ぜることによって酸性に傾いた土を中和することができます。
ただし、消石灰が植物に直接接触すると良くないので、土に混ぜてなじませてから「土壌酸度測定器」で測ってから使用してください。
これで復活!シリカゲルの再生方法は炒る?天日干し?
食品やカメラに使われる「A型シリカゲル」の再生方法ですが加熱することによって復活できます。
乾燥剤としての機能が終わっているシリカゲルは、青色の粒がピンクに変色しています。
具体的に再生方法をご紹介します。
- シリカゲルを袋から取り出します。
- 油をきれいにふき取ったフライパンで焦がさないように弱火で炒ります。
- ピンクの粒が青色に変わってきたら火を止めます。
- 冷ましてから密封容器などで保管します。
- 利用するときにお茶パックなどに適量を入れて使います。
これで完成です。
電子レンジでも再生できますが加減が難しいので、手間がかかりますがフライパンで炒る方が安心です。
尚、「B型シリカゲル」は天日干しで吸湿力が戻ります。
石灰乾燥剤やシリカゲルの捨て方は?
石灰乾燥剤やシリカゲルの再利用や再生をせずに捨てる場合は「燃えるゴミ」「燃やせないゴミ」どちらでしょう?
乾燥剤メーカーに問い合わせてみても「自治体によってゴミの分類が違うので・・・。」と明確な答えが返ってきません。
ですので、地域の清掃局に問い合わせてみるのがベストですね。
ただ、1つ気を付けたいことが「石灰系乾燥剤」は水分で発熱することがあります。
もし、石灰系乾燥剤を触って粒が残っている場合はまだ水分で発熱する「生石灰」の状態の恐れがあります。
この場合、生ごみの水分に反応して火災の原因になることがありますので十分注意してくださいね。
まとめ
乾燥剤も種類があって再生できる、できないがあるのでそれぞれの特性に応じて使い分けが必要ですね。
乾燥剤の種類
- 石灰系乾燥剤・・・再生できないけど土壌改善に再利用できる。
- シリカゲル・・・再生できる。
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