食べる「春の七草」に対して、主に観賞する「秋の七草」。
毎年1月7日に無病息災を願って七草粥を食べる習慣があることから「春の七草」は印象深いものですが「秋の七草」は初めて知ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
- 秋の七草の覚え方
- 秋の七草にはどんな種類の花があるのか
- 秋の七草の由来は?
- 秋の七草は食べられるの?
などを順番にご紹介いたします。
秋の七草の覚え方 語呂合わせと短歌で簡単に覚える!
秋の七草の覚え方はシンプルに2つあります。
たくさん覚えるのではなく、たったの7種類なので気楽な気持ちで覚えてみましょう!
覚え方は
- それぞれの頭文字を語呂合わせで覚える方法
- 五・七・五・七・七の短歌として覚える方法
この2種類が王道で鉄板です!
では順番にご紹介いたしますので気楽に取り組んでみましょう。
秋の七草の頭文字を語呂合わせで覚える方法
最初はシンプルに秋の七草の7つの頭文字をつなげた語呂合わせで覚えます。
秋の七草には「女郎花(おみなえし)、薄(すすき)、桔梗(ききょう)、撫子(なでしこ)、藤袴(ふじばかま)、葛(くず)、萩(はぎ)」の7つの草花があります。
その語呂合わせはそれぞれの頭文字をとって「お好きな服は?(おすきなふくは)」で覚えます。
このように頭文字「お・す・き・な・ふ・く・は」で覚えます。
この語呂合わせが言葉としても自然でしっくりきますね。
秋の七草を五・七・五・七・七の短歌として覚える!
語呂合わせがピンとこない場合は五・七・五・七・七の短歌としてリズムをつけて覚える方法もあります。
このように5・7・5・7・7のリズムをつけて詠むと覚えやすくないですか?
萩 尾花 葛 藤袴 女郎花 撫子 桔梗 秋の七草
何度も繰り返すことで自然と頭に入ってきますのでぜひ試してみてください。
秋の七草の種類 植物の名前ごとに写真で紹介
ここでは実際の秋の七草を写真と動画でご紹介いたします。
秋の七草 萩(ハギ)
萩(はぎ) マメ科・ハギ属
どことなく控えめで寂しげ、思慮深いたたずまいから「内気」「思案」といった花言葉がつけられた一方で、しなやかな枝ぶりや生命力にみちた様子から「柔軟な精神」という花言葉もつけられています。
秋のお彼岸の定番の和菓子である「御萩(おはぎ)」は萩の花にちなんで名づけられています。
花言葉:内気、思案、柔軟な精神
秋の七草 薄(ススキ) ※別名=尾花(オバナ)
薄(すすき) イネ科・ススキ属
後で紹介する万葉集では「尾花(おばな)」と詠まれています。「尾花」はススキの花の部分を意味し秋の季語です。
花の部分は晩秋には白っぽくなり動物の「尾」に似ているところから「尾花」といわれています。
花言葉:活力、生命力
秋の七草 葛(クズ)
葛(くず) マメ科・クズ属
奈良の吉野本葛「葛湯(くずゆ)」の原料になる植物です。根のデンプンが原料になります。奈良県吉野川の上流の国栖(くず)が葛粉の産地であったことから「クズ」と呼ばれるなったという説があります。
一般に知られている風邪の漢方薬「葛根湯」も葛の根が原料になります。
花言葉:芯の強さ、快活
秋の七草 藤袴(ふじばかま)
藤袴(ふじばかま) キク科・ヒヨドリバナ属
花の色が藤色で花弁の形が袴のような「藤袴」。
乾燥させた藤袴の茎や葉には桜の葉のような香りがあり芳香剤、アロマとしても使用されています。また、この香りは防虫効果も期待できます。
藤袴は現在では自然の状態ではほとんど見られなくなり絶滅危惧種に指定されています。
花言葉:ためらい、遅れ
秋の七草 女郎花(おみなえし)
女郎花(おみなえし) オミナエシ科・オミナエシ属
オミナエシ科オミナエシ属 の多年生植物。
太くたくましい茎の「男郎花(オトコエシ)」に対して全体的に優しい感じの見た目から「女郎花(オミナエシ)」と名づけられたとされています。
花言葉:美人、はかない恋、親切
秋の七草 撫子(なでしこ)
撫子(なでしこ) ナデシコ科・ナデシコ属
日本人女性の美称である「ヤマトナデシコ」は秋の七草の「ナデシコ(カワラナデシコ)」の別名です。
ナデシコの種類は世界でも300種を越えるほど多くなじみ深いところではカーネーションやカスミソウもナデシコ科の植物です。
一般的に「ナデシコ」といえば「カワラナデシコ」の事を指します。
花言葉:無邪気、純愛
秋の七草 桔梗(ききょう)
桔梗(ききょう) キキョウ科・キキョウ属
次の章で紹介する万葉集の歌では「朝貌(あさがお)」になっていますが、あさがおが中国から伝わったのは歌にした山上憶良(やまのうえおくら)より後の時代であり「朝貌=桔梗」が定説になっています。
桔梗も藤袴同様絶滅危惧種に指定されています。
花言葉:気品、誠実、従順、永遠の愛、変わらぬ愛、優しい温かさ
秋の七草の由来は山上憶良の万葉集から
「秋の七草」は、万葉集に収められている奈良時代の歌人、山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ歌二首が始まりです。
歌の中で「朝貌(あさがお)の花」と詠まれていますが、現代の「あさがお(ヒルガオ科)」は山上憶良が生きていた時代には日本に入ってきていないとされていて「朝貌=桔梗」と言われています。
桔梗の他に「木槿(むくげ)」を指しているという説もありますが、木槿は中国から入ってきた草花でこの時代に野山に自生していることも考えられないとの理由で「朝貌=桔梗」が定説になっています。
秋の七草は食べられるの?食用よりも薬用
秋の七草は春の七草のようにスーパーの野菜売り場で「七草粥セット」として売られているような食用ではなく、観賞用としての印象が強い草花です。
しかし、意外なことに秋の七草は昔から民間療法や漢方薬として珍重されてきました。
下記にその代表的な用途をご紹介いたします。
以上はあくまでも民間療法で使用されていることがある、ということであって国が認めた薬効があるというわけではありませんのでご注意ください。
まとめ
秋の七草の覚え方は下記の2通りがおすすめです。
- 秋の七草の頭文字を語呂合わせで覚える方法(語呂合わせ=おすきなふくは)
- 秋の七草を五・七・五・七・七の短歌として覚える方法
ご自身が覚えやすい方法を採用しましょう。
そして
- 萩(はぎ)
- 薄(すすき)※別名=尾花(おばな)
- 葛(くず)
- 藤袴(ふじばかま)
- 女郎花(おみなえし)
- 撫子(なでしこ)
- 桔梗(ききょう)
秋の七草の種類は以上の7つの草花です。
また、秋の七草は食用ではなく観賞用のイメージですが薬用としても重宝される植物です。
春の七草ほど一般的に浸透していないので覚えているとそれだけで自慢できるかもしれませんね。
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