「青のり」といえば、お好み焼きにかかっている“緑色の粉”の事だと思っていませんか?
でも、実はお好み焼きに「青のり」を使っているお店はほとんどないのです。
お好み焼きにかかっているのは実は「あおさ」がほとんどなのです。
- 青のりとあおさの違いについて
- あおさにも2種類あることについて
最後まで読むと青のりとあおさについてわからなかったことがきっと解決しますよ。
青のりとあおさの違い!品種がわかればすべてがわかる!
青のりとあおさの違いはかなり複雑で奥が深いので、解りやすいようにまずは図解でご覧ください。
少し馴染みのない分類ですが、この品種の分類を押さえておけば全ては解決するといっても過言ではありません。
要するに、青のりとあおさの違いですが品種が違います。
ここで大きく3つに分かれます。
- アオノリ属の「青のり」
- アオサ属の「あおさ」
- ヒトエグサ属の「あおさ」
まず、これから、この3つについてご説明しますので順番にお付き合いくださいね。
青のりとは?
一般的に青のりと呼ばれているものは図解のように「緑藻類アオサ目アオサ科アオノリ属」の海藻です。
アオノリ属の中にも「スジアオノリ」「ウスバアオノリ」「ボウアオノリ」「ヒラアオノリ」などの種類があります。
これらの品種のアオノリ属が一般的に流通しているいわゆる「青のり」です。
特に主となるのが「スジアオノリ」で、高知県の四万十川で採れるものが最も高級品とされていて主に高級料亭で使用されています。
簡単に一言でいうと青のりは「高級品」、あおさよりも高価なのです。
参考までに写真の商品は
- アオノリ属の「青のり」=213円(3g)
- アオサ属の「あおさ」=95円(20g)
- ヒトエグサ属の「あおさ」=321円(7g)
で購入しました。
冒頭に『お好み焼きに「青のり」を使っているお店はほとんどない』といったのはコストの問題で高級店以外は、ほとんどのお店で「あおさ粉」を使っています。
あおさとは?
一般的に「あおさ」と呼ばれているものには図解のように次の2種類あります。
- 緑藻類アオサ目アオサ科アオサ属・・・お好み焼きにかける「あおさ」
- 緑藻類アオサ目ヒトエグサ科ヒトエグサ属・・・味噌汁に入れる「あおさ」
なぜ、違うものなのに両方「あおさ」というのでしょうか?
理由として
お好み焼きにかける「あおさ」はアオサ属という品種から素直に「あおさ」「あおさ粉」などの商品名になった経緯があります。
お味噌汁の「あおさ」は実は方言なのです。
あおさの生産量が日本一の三重県の伊勢志摩で青い色だから「あおさ」と呼ばれるようになったそうです。
この2つの「あおさ」の呼び方が色々と違いが判らなくなった原因の1つです。
お味噌汁の方のあおさは、沖縄では「アーサー」、北鹿児島地方では「おさ」や「銀あお」、南鹿児島地方では「このい」など地方によっては様々な言い方があるようです。
青のりとあおさの違いは?すぐわかる見分け方!
では、青のりとあおさの見分け方です。
それぞれ「似て非なるもの」ですので1つずつ見ていきましょう。
原材料表示
ここを見れば一番わかりやすいですよ。
スーパーで購入するときは原材料表示で判断しましょう。
混同しがちな「あおさ(アオサ属)」と「あおさ(ヒトエグサ属)」の違いもここを見れば一目瞭然です。
- 青のり・・・「スジアオノリ」「すじ青のり」「青のり」などと表示されています。
- あおさ(アオサ属)・・・「アナアオサ」「あおさ」などと表示されています。
- あおさ(ヒトエグサ属)・・・「ヒトエグサ」「ひとえぐさ」などと表示されています。
見た目の違い
- 青のり・・・粉上で販売されているが、よく見ると「こより状」になっている。また、粉になっていないものは「すじ青のり」という商品名で糸を束ねたような状態でパッケージに入っている。
- あおさ(アオサ属)・・・粉状で販売されている。よく見ると平べったい。
- あおさ(ヒトエグサ属)・・・乾燥している時は、縮れて小さくなっている。水で戻すと葉が大きく開く。
香りの違い
- 青のり・・・強くて良い香り。
- あおさ(アオサ属)・・・香りはするけど青のりほどの強い香りはない。
- あおさ(ヒトエグサ属)・・・香りはあるけど、本来香りを楽しむものではなくどちらかというと味と食感を楽しむもの。
商品名の違い
スーパーなどで売られている主なパッケージに書いている商品名は以下のように書いています。
メーカーによって違うので、紛らわしくてわかりにくいです。
特に「あおさ(アオサ属)」と「あおさ(ヒトエグサ属)」は同じ商品名で売られてる場合があり、商品名だけでは見分けがつきません。
- 青のり・・・「青のり」「青のり粉」など。粉になっていない場合は「すじ青のり」等と書いています。
- あおさ(アオサ属)・・・「あおさ粉」「青粉」「青さ粉」「あおさ海苔(粉末)」「あおさ」「あおさのり」
- あおさ(ヒトエグサ属)・・・「あおさのり」「アオサのり」「あおさ」「青バラ(青ばら)」など。沖縄では「アーサー」等として売られています。
2000年頃までは「あおさ(アオサ属)」にも「青のり」という商品名を付けている商品がたくさんありました。
でも、
『安価な「あおさ」に「青のり」という商品名を付けたら消費者が混同する。』
という理由からJAS法の規定に添い「あおさ(アオサ属)」に「青のり」という商品名を付けてはダメになりました。
ですので、「青のり」「青のり粉」などの商品名が付いている場合は、間違いなく「青のり」です。
料理に使う用途の違い
- 青のり・・・基本は料理にふりかけて香りを楽しみます。七味唐辛子にも入っています。粉になっていない「すじ青のり」はお吸い物に入れたり、天ぷらにするなど、ちょっと贅沢な料理です。
- あおさ(アオサ属)・・・お好み焼き、タコ焼きなどにふりかける。天ぷらの衣に混ぜる。
- あおさ(ヒトエグサ属)・・・味噌汁、うどん、ラーメンなどの汁気のもの全般に入れて食べます。また、ヒトエグサは海苔佃煮の原料です。
まとめ
青のりとあおさの違い、分かっていただけましたか?
わからなくなった原因が商品名と品種名がごっちゃになって、方言まで加わって、使い方も似ていて・・・。
でも、色々説明してみましたが、最終的に「原材料」を見たらとりあえず間違えて買うことはないので安心ですね。
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